約6ヘクタールの自社田で自家採種して育てている酒米は、いずれも“幻の酒米”と言われている「雄町」と「神力」。雄町は山田錦や五百万石などの酒米の先祖にあたり、120種類以上存在する酒米の中で、150年以上途切れずに栽培され続けている唯一の品種です。全国に「オマチスト」と呼ばれるファンがいるほど人気な反面、草丈が160cm以上にもなることから倒れやすく、さらに軟質で溶けやすいという扱いの難しさから「杜氏泣かせの酒米」とも言われています。一方の神力はこしひかりの先祖にあたる酒米で、抜群の収穫量を誇り、雄町とは対照的な硬さが特徴です。仁井田本家では、米の個性を最大限に引き出してあげるために、酒米ごとに仕込み方も変えています。