「リジェネラティブ」という言葉をご存知でしょうか。これは「再生させる」という意味で、日本でもよく耳にするようになった「サステナブル(持続可能)」の一歩先をいく考え方です。人間活動による環境負荷をどこまで軽減できるかというのがサステナブルの考え方であり、農業においてもオーガニック農法が普及していますが、近年は農業によって環境を再生し、気候変動の抑制にもつなげるという、リジェネラティブな取り組みが世界的に広まりつつあります。これは不耕起栽培などの特定の手法を活用した農法を実施することで、土壌内の有機物を増やして表土の健康を回復させるとともに、気候変動の原因となるCO2を土壌の中に貯留させるというアプローチです。
2017年にはパタゴニアさんが中心となって、「リジェネラティブ・オーガニック」という国際認証が制定されました。これは再生有機農法を指す言葉で、オーガニックをさらに超えた位置付けになりますが、認証されたほとんどが畑であり、農地の54%を水田が占める日本ではまだどこも認証を取得できていません。そこで仁井田本家が日本全国の田んぼのモデルケースとなれるよう、どのような水田管理が「リジェネラティブ・オーガニック」なのかという研究を、自社田を使ってパタゴニアさんと一緒に取り組んでいます。(仁井田本家はこの国際認証を2024年に取得予定)